毎年、3月10日は東京大学前期日程の発表日。各学習塾にとっては在籍している生徒が何人合格したかで、その塾の実績や評判が決まり、生徒募集にも大きく影響するため、塾や予備校にとっては特別な日である。以前、学習塾の校舎に勤めていたことがある。そこで東大クラスの担任も経験した。合格する生徒は自分で自分のことをよく律している人が多かった。つまり、自分で自分の弱点と学習ポイントを理解しており、それを克服するために塾をうまく活用できていた生徒である。逆に合格できない生徒は、「どうすればいいですか?」「何をやったらいいですか?」などと自分で自分のことを理解できていない生徒である。また、ひとりよがりで我流に走りすぎる生徒も合格していない。
それにしても日ごろから思うことがあるが、学習塾というのは学力がない人を入会させて、学力をつけて、志望校に合格させるのがそもそもの役割だと思うが、合格実績を出したいがために、合格しそうな生徒を入会させたがる。合格しそうな生徒は、合格実績がある高校の生徒や模擬試験の偏差値が高い生徒である。そのような生徒は入会しなくても大概合格するので、それらの生徒を合格実績として、さもウチの塾が合格させました的なアピールをするのは腑に落ちない。
そんなことがあるので、私は難関大への合格を目指す生徒よりも、中学・高校でいろんな事情で勉強できなかった生徒をきちんと勉強させて、満足できる大学に合格させるほうにやりがいを感じていた。経済的な事情もある場合が多いので一緒に奨学金やその他の金策を考えて、次へのステップへつなげられた時の喜びは大きい。しかしながら勉強以前に生活環境やコミュニケーションなどから入らないといけない場合もあるので東大クラスよりも別の意味で大変だったが、、。
というわけで、今回はこの辺で、そのうち医学部の担任時代についても書きたいと思う。
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