7/1は「Music Tomorrow2022」へ。「Music Tomorrow」はN響が毎年1回行う現代音楽のコンサート。会場は東京オペラシティーコンサートホール。自分としては現代音楽は理解できない要素も多いのですが、様々な珍しい音が聴けることも多いのでついつい出かけてしまいます。新型コロナ等の関係で、第2部のプログラム曲の「『嵐の目』ーピアノとオーケストラのための幻想即興曲」のピアノ奏者が来日できないため演奏が延期、代わりに「チェロ独奏のための『Lame』」という曲が追加。さらに「ヴァイオリン協奏曲『ゲネシス』」のギター奏者が来日できないとのことで奏者の変更、それに伴う演奏曲順の変更がありました。
プログラム最初は、岸野末利加さんの「チェロとオーケストラのための『Ehat the Thunder Said/雷神の言葉』」第69回尾高賞受賞作品。バラバラに孤立した個が、バランスを取り戻しながら社会を再形成していく様子を描いたそうです。7~8分くらいのやや短めの曲ではありましたが、そこまで強烈な現代音楽ではなく、といっても調性があるものではありませんでしたが、様々な楽器が奏でる目まぐるしい展開がとても耳に残りました。
2曲目は、差し替えで新たに加わった曲。フランコ・ドナトーニ作曲の「チェロ独奏のための『Lame』」。曲名通り完全なチェロ独奏曲。奏者はオーレン・シェヴリン氏。弦楽器はよくわからないのですが、見事な技巧を織り交ぜながら15分弱くらいの長さの曲を完走。前半の最後は細川俊夫さんの「ヴァイオリン協奏曲『ゲネシス(生成)』」。日本初演だそうです。誕生から成長し調和してくという要素、シャーマニズムの儀式的な音楽ということ。ラストの消えゆく音色の余韻が素晴らしい。プログラムノートの解説の記載が概念的な説明が多く、やや理解が難しく感じました。20分ほどの曲でした。吹奏楽でも、「ジェネシス」という曲が吹奏楽コンクールの課題曲となっていたりしますが、曲名への想いはどちらもよく似ているような気がしています。曲は似ても似つかぬ感じですが。
休憩後は西村朗さんの「華開世界~オーケストラのための」。こちらも第69回尾高賞受賞作品。NHK交響楽団の委嘱作品だそうです。前回も演奏され、今回は再演となりました。多彩な楽器群が駆使され、「秘儀」シリーズを彷彿とさせる、終始すべての楽器が鳴り響いているような独特な世界観に惹き込まれる曲。前回以上にエネルギッシュに感じました。
今回は座席が下手の3階のバルコニー席だったため、ステージの半分以上が見えませんでした。そのため、ソリストやプレトークの登壇者も見えず、さらに指揮者も上半身の一部しか見えず、ちょっと失敗しました。このホールの時は正面に座らないといけないとあらためて感じました。
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