5月26日(木)は新交響吹奏楽団の第94回定期演奏会へ。会場は中野ZEROホール。2年ぶりのこのホールでの開催だそうです。私的には先月の東京佼成ウインドオーケストラの演奏会以来1か月ぶりです。歴史のある一般の吹奏楽団であるようですが、平日の演奏会開催ということで、参加されている方々はどのような職の人であろうかと考えてしまいます。平日にもかかわらず、お客さんもぼちぼち入っていました。周辺の会話に聞き耳を立ててみると、元団員や関係者が多いことが何となく感じ取れました。94回も演奏会をやっていればそれは様々な人々が入れ替わったりしながら活動を続けているのだろうと思います。なお、ロビーにて例年行っている過去の演奏会のCD販売はありませんでした。
そしてプログラム。特にアマチュア団体にありがちな司会が入り、曲の解説を行うような演出は一切なく、淡々とプログラムを進めていく進行でした。個人的にはこのほうが好みではあります。第1部は、日本の吹奏楽レパートリーの礎を築いた3名の作品。最初は兼田敏さんの「吹奏楽のための交響的瞬間」。このような作品を取り上げる挑戦には敬意を表しますが、如何せん技術的・表現的に十分な内容には至らず、正直つまらない演奏に聴こえてしまったのは残念。続く保科洋さんの「パストラーレ(牧歌)」では、冒頭が揃わなかったこと以外は極めて無難な演奏。もう少し、表現上の躍動感が欲しいところです。失敗する団体が多いトランペットのソロは上手でした。続く「仮面幻想」では冒頭のフルートのフラッターはとても上手。それ以外はこの曲も全般的に特に後半の速い箇所での躍動感に乏しく、一生懸命音を出しているのでしょうが、ステージ上で留まり、会場の奥までは飛んでこず、やや色彩感に乏しい演奏となりました。やりたいことは何となく伝わってきました。
休憩後の第2部では海外作品を中心に。印象的だったのはA.デイヴィスの「ウェールズの歌」。ゆったりとした曲でしたが、こちらはとても聴きやすく、演奏も安定したおり落ち着いて聴けました。続いての「ドラゴン年」は1985年版のほうでした。最近は2017のほうが演奏される機会が多いので、そちらに慣れてしまっていましたが、1985版もこうして聞くと新鮮に聴こえました。2楽章はやや不安定でしたが、3楽章はスピーディーに進行し、壮大なエンディングで締めくくられました。
アンコールは「グリーン・スリーブス」と「沖縄ソングメドレー(で良かったか・・)」の2曲。平日、時間を作って観に行った割には「いい音を聴けた」という快適さはありませんでしたが、一生懸命音楽をしている姿勢には感服いたします。。
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