3/24は「粋吹-ibuki-」という吹奏楽団の第2回コンサートへ。会場は杉並公会堂。この団体は2019年度入学の東京音楽大学の学生を中心に首都圏の音大生で結成された吹奏楽団だそうです。指揮は作曲家の葛西竜之介さん。作曲の会「Shining」の方です。今回は全てオリジナル曲によるプログラム。新曲の初演もあり、前半と後半で大曲が2つある大変意欲的なプログラムでした。
オープニングはヴァン・デル・ローストの「ミネルヴァ」。初めて聞きましたが華やかな曲。このバンドのうまさとその後のプログラムでの好演を期待せずにはいられなくなりました。2曲目は、西下航平さんの「序曲『黄金の地平線』」。今回初演だったそうで、マニアとしては好みだったのですが、正直、どんな曲なのかあまりインパクトはありませんでした。序曲にしてはやや暗い曲そうだったということで、言われればそんな曲だったかな?という感じ。初演ということを全くアピールされなかったのはもったいないですね。作曲の西下さんも会場にいらっしゃり演奏後に紹介はされていました。今回のプログラムではやや埋もれてしまったような気がします。1部のラストは「プラハのための音楽1968」。この音楽といえば、やはり吹奏楽コンクールで4度も演奏した愛工大名電高校の超高校級の金管楽器のサウンドのイメージ。そのような中で第1楽章の冒頭のティンパニからフルートで始まり、細部まで行き届いた絶妙な緊張感は見事で打楽器のトレモロから不協和音へ移行する狂気じみた音楽はまさにプラハのための音楽。名電以上かもしれません。第2楽章も冒頭の低音軍の圧がとても素晴らしい。第4楽章のトッカータとコラールでは、最初のほうのクラリネットのソロで跳躍した上の音が当たっていなかったのは少し残念。あとはトロンボーンのグリッサンドも、もっと荒々しく聴かせてほしかった。ラストのユニゾンはとてもクリアな音色、打楽器群の最高潮への到達は素晴らしく、この曲ですがとても感動しました。ここまで整えた技量に感嘆。
休憩後の「シンフォニア・ハンガリア」、演奏時間が40分くらいになる大曲ですが、ロースト独特の中低音のサウンドが心地よく響く迫力ある演奏。弱奏部のメロディーの表現力にやや課題を感じましたが、この大曲を飽きさせずにしっかりとした音楽で、プレーヤーの疲れを感じさせることなくストレスフリーで聴かせていただけてことに感謝。時の経つのを忘れるくらいに惹き込まれる演奏。ラストは壮大なエンディングで締めくくられました。
平日夜の開催でしたが観に行って良かった演奏会。次回も楽しみにしております。
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