3/12(土)はデアクライスブラスオルケスターの第12回定期演奏会へ会場は北とぴあさくらホール。この日は気温が高く、3月にしては5月上旬ごろの気温になるという暖かさ。演奏への期待も向上します。今回のプログラムはゲストもいない状況で3部構成と、わりとボリューミー。木管楽器のアンサンブルに続いて第1部が開演。
まず、奏者の入場ですが、一斉に入場ではなく、各パートが適宜バラバラに入場してくるという画期的な方法。全員が入場し終わって開演のブザーが鳴ったら演奏会開始という展開でした。第1部はバーンスタイン作曲の「キャンディード序曲」。指揮は瀬尾宗利さん。かつて文教大学で数々の管弦楽作品の吹奏楽へのアレンジを行ってきた方です。勢いのある序奏からスピーディな後半への展開は素晴らしい。演奏会の幕開けに相応しい力強い演奏でした。次のスパーク作曲の「陽がまた昇る」から指揮は佐川聖二さんへ。曲は祈りや希望、勇気といった表情を含みながら暖かく広がるたわらかな演奏。ゆったりとした曲ですが、意外とトランペットの跳躍は難しいと思います。1部の最後はヘス作曲の「グローバルバリエーション」約8分ほどの曲で世界1周の旅ができるという面白い曲ですが、個人的には存在は知っていたもののあまりじっくりとは聴いたことがなかったので良い機会となりました。途中の掛け声もしっかり発声されていました。
第2部はポップス系中心。特に印象的なのは「歌謡大作戦Part8」。当団体トレーナーの大村一弘さんによる編曲。約20分ほどの曲でしたが、昭和から令和までの33曲が詰まったメドレーでした。歌謡曲はほとんど聞かないのでほぼ知らない曲ばかりでしたが、各曲の展開や各楽器に配置されたソロなどが効果的で面白く、さながら楽器紹介曲でも聴いているような感じでもありとても楽しめました。
第3部は和風な曲ということで、福田洋介さん作曲の「さくらのうた」と真島俊夫さん作曲の「3つのジャポニズム」でした。「さくらのうた」は、先日参加した団体でも作曲者自身の指揮で演奏。その他の演奏会でもよく聞きます。課題曲時代はあまり多くの団体はこの曲を選択しませんでしたが、その後もたくさん演奏されるのは本当に素晴らしい。最後の「3つのジャポニスム」は久々に全曲を聴きました。特に第1楽章が西洋から見た日本のイメージがよく出ている好演。第3楽章は、佐川聖二さんによる別の団体での指揮で演奏したときはかなり快速なテンポでしたが今回はやや落ち着いたテンポ設定。存分な迫力で和のテイストが見事に表現されていました。
やや長めではありましたが、これだけのプログラムを吹き切られた体力と技術は素晴らしく、十分に楽しめた演奏会でした。
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